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2009年01月09日

オペラ劇場とカラオケ

こんな記事を見つけた。
[N] イギリス人が重要と思いつつも不快に感じる発明は「カラオケ」
これを読んでいて、つい先日、舞台の上で同僚と交わした会話を思い出した。

今、舞台稽古が佳境に入っている Palestrina / Hans Pfitzner作曲 の練習中に同僚の誰かが「これだけモニターがあちこちに付いているんだから、カラオケと同じように、指揮者の映像と一緒に歌詞も一緒に流せばいいのに。そうなればわれわれは歌詞を忘れる不安から解放されて、助かるなぁ。」

ミュンヘンのNationaltheaterは数年前から古いモニターに替わって、かなり大画面の薄型のモニターが使われている。視認性は以前のブラウン管を使ったモニターに比べると格段に良い。(最初の頃はブラウン管に較べて音と映像のズレに戸惑ったけれど) 

先日のカルメンの公演の時に Kaiserslautern から助っ人に来た合唱団員が、ミュンヘンの舞台上の豊富なモニター群にひどく感心していた。数えてみると10個付いている。もちろん客席からは見えない位置に付いているのだが、これだけあると舞台上で歌っていても死角というのは殆ど無い。ミュンヘンのオペラ劇場はこんなところにも金を使っているのである。

Palestrina のドイツ語歌詞はイタリアオペラの歌詞とは違って、なかなか覚えにくいところがある。(特に外国人には) わたしはこれを耳にして、なるほどなぁと目から鱗が落ちる感じを持った。そしたらすかさずもう一人の同僚が「お前、それじゃプロンプターが失業しちゃうよ」
ウ〜ン、なかなか難しい。物事には必ず表と裏があるんだ、という事を再確認した次第。