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2009年11月01日

墓をめぐるバトル

数年前にもこれと同じような会話をした記憶があるのだが、書き留めておく。ブリギッテはどうもお墓参りに行ったあとは妙にハイな気分になるようだ。

お墓参りから戻った彼女が
「ねえ、ねえ、両親の入るお墓のすぐ脇の墓地が空いてるのよ。日当たりの良いとっても良い墓地だから私たちのために買っておいた方が良いんじゃない?」
わたし(ちょっとからかうように)
「死んでからあとまで君の家族と一緒なんて気が進まないなぁ」
彼女
「あら、じゃあ、あなた死んだらどうするの?」
わたし
「焼いて骨にしてどこかにばら撒いてくれればいいよ」
彼女
「ドイツではそれは禁じられています」
わたし
「じゃあ、日本に送ってもらってわたしの両親の墓に入れて貰うよ」
彼女、急に怖い顔になり
「わたしがこれまであなたのために食事を作ったり洗濯をしてあげたのに、あなたはわたしの墓にお参りしてくれないの? わたしが死んだらあなたに時々はお墓参りに来て欲しいわ。」
わたし
「ちょっと、ちょっと、論旨もおかしいし、飛躍のし過ぎだよ。わたしがドイツの墓に入るかどうかを論じているんじゃなかった? それにどうしてわたしよりずっと若い君がわたしより先に死ぬの?」

グッと詰まった彼女、さすがにおかしなことを言っているのに自分でも気がついたのか、次の瞬間には吹き出してしまった。