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2010年04月08日

合唱団のオーディションを聴いた

久しぶりに合唱団のオーディションに出てみた。昨日もあったそうで、これはと思う受験者が1人いたらしい。今日は4人の参加者があった。裁定の結果を聞かずに帰宅したので結果がどうだったかは夜になって知った。

合唱団の新規採用オーディションというのにはここ数年参加したことがない。その理由は、ふだん一緒に仕事をしていて「どうなんだ、こいつ」と思っている奴に限って、上からの目線での偉そうな批評をするのがどうにも我慢できなかった。お前、まず自分の頭の上のハエを追え、と言いたくなるのだ。(^_^;)

それと、既存の合唱団員の意見が通るわけではなく、最終的な合否は合唱指揮者の裁断によるので、参加していてもあまり意味がない。体の良い野次馬と云うことであるから、ほとんど出ることがなくなった。ましてや、今日のオーディションは「 II テノール」の欠員を埋めるためのもので、「I テノール」に属するわたしは出る義務がないし、意見を求められることもない。単なるオブザーバである。

それなのになぜ出席する気になったかだが、今シーズンの始めからボランティアとして歌っている若いドイツ人が応募していて、それを応援したい気持ちがあった。半年間、彼と一緒に仕事をしていて、こういう男なら仲間に加わって欲しいなと思っていた。今日のオーディションでも彼の持っている良い点を披露したのではないかと思っている。

昨日は7人の応募者があったそうだが、今日は4人だった。その四人の内訳はドイツ人1人、韓国人二人、日本人1人。韓国人の2人は両方とも強靱で立派な声を持っていて容貌も悪くない。何よりも全体の雰囲気が勢いを感じさせるのだ。ただ、声にしなやかさが足りなかったり、音程がイマイチ正確さを欠くので歌の心がこちらに伝わってこない。素材はしっかりしているのだから、今後の精進、勉強の仕方によっては大きく羽ばたく可能性はある。

今日歌った日本人の参加者は声の力、フォルム、それに体格の点でも他の3人よりも一回り小さい感じを受けた。破綻なくこじんまりと纏まっているのだが、聴いていて妙な焦燥感を感じた。ときおり日本の歌謡曲・演歌を感じさせるような歌い回しを聴いた気がしてハッと彼の顔を見つめてしまった。もしかすると、わたしの気のせいだったかもしれない。

最近はスポーツでも音楽の世界でも韓国勢の勢いが素晴らしいが、今日もその一端を感じてしまった。日本人としては残念な事である。どこにその原因があるのか、日本人は研究してみる価値があるだろう。

今夜の仕事の時にその結果を知ったのだが、どうやら昨日のオーディション第1日目に歌った1人が合格になったようだ。今日歌った、わたしが密かに推薦したドイツ人テノールは、落選ではなく保留という形になったらしい。