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2010年12月18日

Fidelio のゲネラルプローベがあった

土曜日・晴れ / 外気温マイナス3度。
7時半起床。土曜日だが今日は Fidelio のゲネラルプローベがあった。ゲネラルプローベが土曜日にあるというのもちょっと珍しい。それが済んだあとは再び一人だけの静かな時間が戻ってきた。

朝から青空の見える良い天気となったけれど気温は相変わらずマイナス7度と寒い。合唱は11時15分に楽屋入りすれば良いのだが、トースト用パンの買い置きが切れているのに気がついて少し早めに家を出た。

ミュンヘンに住んでいても殆どの食料品は手に入るようになったが、朝食用のトースト用パンだけはまだこれといったものを見つけられないでいる。最近は Zöttl というパン屋さんのものを買っているのだが、これとてもわたしが頭の中に描いているトーストパンとはかなり隔たりがある。トーストの形はしているのだが、わたしに言わせれば大いに違う。

わたしだけの刷り込みかもしれないがわたしにとってのトーストパンとは俗に言う「イギリスパン」のことなのだ。困ったことにドイツ人であるブリギッテが鼻であしらうパンがそのイギリスパンなのである。「あんなフワフワの中身が空気だけのようなパンのどこが良いの? 第一不健康だわよ」と一蹴されるのだ。

ドイツ人にとっての良きパンというのはビッシリと中まで詰まって黒かったり灰色をしたパンなのだ。そのくせお隣のフランスのバゲットはおいしいと言う。単純に白いパンがいけないというわけでもないのだ。次回に日本から戻ってくる時には「パン焼き器」を買ってこようかなと真剣に考えている。これがかなりの優れものであるという事を最近ラジオで聞いた。

ゲネラルプローベが終わったのは2時半。今日は Jonas Kaufmann も Anja Kampe も声を抜かないでしっかり歌っていたようだ。今回のソリスト陣は誰もが高水準でかなり期待できる。終幕のカーテンが下りた時に客席から「ブー」の声が飛んだが、これも珍しいこと。演出と舞台装置に対するものであったことは明らかである。前のインテンダントの Sir Peter Jonas が同じような状況のときに 「これはゲネラルプローベで客席に座っているあなた方は劇場の好意で聴いているのであってお金を払ったわけではない。したがって「ブー」を叫ぶことは遠慮していただきたい」と抗議したことがあったのを思い出した。それにしても21日の Premiere の観客の反応がどうなるのか興味が出てきた。

劇場を出てから、お腹は空いていたのでどこかで食事を済ませて帰ろうかと思ったのだが、なにを食べたいのかが自分でも絞り込めず、寒気も手伝ってそのまま帰ってきてしまった。

家に戻ってきてからまずはソーセージ2種類を肴にビールを一本開ける。そのあと、納豆にきざみネギを入れたものと、晒しタマネギと鮭のマヨネーズあえを作ってそれを肴にトスカーナ産赤ワインに乗り換える。締めには桃屋の味付けザーサイでお茶漬け。こういう居酒屋風の食事は一人だから出来ることである。にわかのひとり暮らしに乾杯!(笑)

食事が6時前には済んでしまったので、そのあとはテレビの前に座りサッカーのブンデスリーグのダイジェストを Sportschau で観る。どの試合も雪のためにかなりの悪コンディションだった。期待の香川選手は今日はあまり精彩がなく所属しているチームのボルーシア・ドルトムントも0-1で負けてしまった。

夜も9時を過ぎて外気温はマイナス8度まで下がっている。今夜も早寝しようか。