プチ年末大掃除

2017年12月30日(土)・曇りときどき雪/最高気温8度

7時半起床。

昨夜は嫌な夢を見た。目が覚めてからもかなりの部分がハッキリと記憶に残っていて気分が悪かったが、朝食の話題にブリギッテとお話ししていたら気が紛れた。

彼女も夜中にかなり大きい異音を聞いたというので、もしかするとその物音が引き起こした夢だったのかもしれない。目が覚めてから、夢で良かったと安心するのは久しぶりの体験だった。^^;

朝食の終わり頃に義母宅の介護婦さんから電話があり、浴室と台所の電気が点かないという知らせ。浴室が真っ暗では義母の身体を洗えないし、台所の停電は冷凍庫の中身が解凍するのが心配。

すぐに駆けつけてブレーカーが落ちているのを見つけて元に戻した。内心では「ブレーカーぐらい自分で点検できるだろうに」と思ったが、そういうものなのかもしれない。

帰宅後、ブリギッテと二人で年末大掃除の真似事のような清掃を行う。それほど汚れているわけではないので、浴室の洗面台と台所の配管に熱いお湯を通したり、タイルの拭き掃除をしたり。ついでに気になっていた包丁を3本研ぎ直した。それでなんとなく新年を迎える準備が出来たような気分になる。

昼食は相変わらずローストしたカモの骨からこそぎ落とした肉を食べる。どうやらあと1回ぐらい食べれば完食という事になりそう。^^;

昼食のあとは2人とも疲れて昼寝モード。しかしわたしが目覚めたときにはブリギッテはすでに義母宅に向かったようだった。わたしは早い日暮れの中、近所を歩いて新鮮な外気を吸って戻る。

夕食はこれまたクリスマス料理の残り物。シュペツレにこれも残ったチーズを絡ませた Käsespätzle。これは素朴な味が美味しい。

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幸運の連続で気持ちよくオペラを観ることが出来た話

クリスマスイブの前日(12月23日)の公演 Nationaltheater :プッチーニの「三部作」(IL TRITTICO) に行けなくなったからと切符が廻ってきた。わたしも観たいと思っていた演目だったから嬉しかった。そしてその当日である。

ブリギッテと二人、ゆったりと家を出て劇場には25分前に到着。休憩時にゆっくり楽しもうと飲み物と席を予約してから観客席へ。われわれの席は Palket 5列目のいちばん右端の2つ。だんだん席が埋まってきて第一ベルが鳴った頃、年配のご夫婦がわれわれの席に座ろうとしている。

ブリギッテが「確かにこの席ですか?」と訊ねると彼達の切符を見せてくれた。間違いない。一瞬ダブルブッキングかと思いブリギッテは急いで係員に連絡するため客席を後にする。そのうちに第2ベルが鳴り始めた。もう客席に全員が座った頃にブリギッテが係員と一緒に戻ってきてわれわれの重大な間違いを知った。

友人から廻ってきた定期会員券をあらためて見てみると、なんとわたしたちの切符に割り当てられた「三部作」(IL TRITTICO) の日付は12月20日になっていた。完全にわれわれのミスであって、正規の切符を買って座っていたお二人には申し訳のないことをした。

ブリギッテが戻ってくるまでに奥様の方(アジア人)と話していたのだが、このお二人はわざわざハンブルクからオペラを観に来た人たちで、われわれを咎めてもいい立場なのにとても気持ちの良い親切な応対を見せる紳士淑女だった。

そうしているうちに最後のベルが鳴り始めた。見ると同じ列の1つ置いた席が二つ空いている。一緒についてきてくれた係員の人が「もう、どなたもいらっしゃらないでしょうから、そこに座ってお聴きなってもけっこうです」という親切な申し出。

わたしはその席に座り「休憩のあとにこの席の切符を買った客が来ても仕方がない。「外套」と「修道女アンジェリカ」を見られただけでも幸運だった」と思い舞台に集中する。そして休憩に入った。

開演前に予約してあった席には白ワインとソフトドリンクが準備されていたのでそれを楽しみながら「これで帰宅することになったとしても今日はじゅうぶん楽しめたね」とブリギッテと話す。

休憩が終わり念のために観客席に戻ってみると、われわれの座っていた席は依然として空席である。客席の扉が閉まるまで待ってからまたそこに座って「ジャンニ・スキッキ」を楽しむことが出来た。なんたる幸運!

最後にもう一つ良いことが。クロークでコートを受け取って正面玄関から外に出るとちょうど路面電車19番がやって来るのが見えた。小走りに急いでトラムに乗車、そして最後の幸運は乗換駅でトラム25番がすぐ後ろからやってきて待ち時間ゼロだったこと。22:30に劇場を出てからなんと30分でわが家に帰宅できたことになる。

わが家に落ち着いてから、今回は事前に切符を確認しなかったわれわれのミスだけれど、ブリギッテは確かに23日のオペラに行けなくなったから代わりに行って欲しいという持ち主からの留守電を聞いたと言う。

そこで保存してあった留守電をもう一度再生してみたら「・・・22日、いや、23日のオペラに行けなくなったから・・・」という伝言が入っていた。ということは100%われわれのミステークではなかったわけでちょっと気が楽になった。ひょっとするとこの切符を持つ当人たちはこの夜、自分たちが行けたのかもしれない。

カローラからの嬉しいお土産

カローラが3ヶ月あまりの日本滞在を終わり、12月13日に戻ってしばらく経つ。わたしへのお土産にと彼女は日本酒「八海山」(300ml)を2本持って来てくれた。

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一瞬「なぜこれを?」と思った。そこで彼女が説明してくれた。日本に着いて間もないときに明治神宮などの神社を案内したのだが、その時に参道の横にズラリと積み上げられたコモ被りの日本酒が彼女の目に止まった。

彼女に聞かれて酒と神社の関係を説明しながら、その中にあった「八海山」の樽を見つけたわたしが「これは飲んだことがあるけれどおいしいんだ」と言ったのだそうだ。

それが彼女の3ヶ月間の日本滞在中、記憶に残っていて帰国の際に購入したらしい。30kgのスーツケース一個だけしか持ち込めないのに2本も買って来てくれたのには感謝である。

なによりも帰国の際、3ヶ月前にわたしが何気なく言った言葉をおぼえていてくれたのが嬉しい。これは明後日の元旦に味わって飲むことに決めている。(^_^)