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2006年08月31日

Montebenichi

快晴 / 外気温16度(朝、8時半),26度(午後3時)
7時50分起床。窓から射し込む光が今日もトスカーナは快晴であることを告げている。プール周りの芝生はまた昨夜イノシシが出没したらしく掘り返されている部分が拡大している。昨日の夕方7時半頃には、谷の下の方でイノシシの鳴き声が盛んに聞こえていたから、一昨日の狩りでは全部を仕留められなかったのだろう。やはり、もう一度イノシシ狩りをして貰うしかないのだろうか。

今朝は週1回のプール掃除をする人が来るので、ブリギッテの早朝水泳は出来なかったようだ。われわれは数本の庭の木に水をやってくれるように頼まれている。その作業をブリギッテがしていて撒水口の違うものを取り付けようとして失敗し、頭から水をかぶってしまったので水泳と同じ結果になったと笑っていた。

広大な庭だから、ほとんどの木には自動で散水するような仕掛けが施されているのだが、最近植えた若い木にはそれが無いので人間が水を掛けてあげなくてはならないのだろう。天気の良い土地にはそれなりの悩みがあるということだが、雨の多い寒い土地(ここと較べてだが)から来たわれわれには羨ましくも思える。

朝食が終わった頃に外で人の話し声が聞こえる。プールまで下りていって見ると、この別荘を管理している女性(ドイツ語を話す)と庭師がイノシシの荒らし回った芝生を見廻ってなにやら相談をしている。彼女の話によるとちょうど2年前にも同じようなことがあったそうで、今日はその庭師がボコボコになった芝生を一日掛けて手入れするらしい。われわれはここから少し離れた(地図上では) Montebenichi という村まで出掛けることにした。

地図で見ると北上して右へ曲がる道と南下して右へ曲がる道の二つがある。ここはカーナビに任せて出発。カーナビはどうやら北上して右折の道を選んだようだ。しかし、この道がくねくねと曲がっている上に、もちろん舗装もしていなくてようやく車一台が走れるような山道。助手席のブリギッテはときどきドアの取っ手にしがみついていた。(汗) 

途中 Rosennau という本当に小さなところを通過する。家が二軒ほどしかないようななんとも不思議なところだった。そこからまた山の中の砂利道になって目的地に着いたのはようやく12時になろうとする頃。ここも本当に小さくて、村と言うよりは集落といった感じ。別荘の主人が教えてくれたレストランは12時半から13時半までの営業らしいので30分ほどこの集落をぐるりと見て回る。とは言っても歩いて10分も経たずに一周してしまう。(汗) 

途中、車の警笛が聞こえるので、われわれの車が駐車位置を間違えたかと思ったが,なんとそれはパンを売りに来た自動車が集落の人に知らせる合図だった。わたしの小さい頃には「豆腐売り」とか「納豆売り」「コロッケ、メンチカツ売り」などが自転車で鐘を鳴らしながら、あるいは売り声を上げながら住宅地を廻っていたが、あれを思いだした。まあ、パン屋もない集落ということでどれだけの規模かはわかったもらえると思う。

imageその集落の中心に昔の砦を改築したようなホテルがあったが、この値段表がツインの部屋で250€ということでまたビックリ。


imageこんな辺鄙なところにこんな高い料金を払っても泊まる人がいるのかしら。不思議である。

12時半になったので目的のレストランを訪れる。別荘の主人が Carbonaia から来たと言いなさい、と助言してくれていたのでそのとおりにするとちゃんとわかっていて気持ちの良いサービスを受けることが出来た。そこでわたしは第一の皿に Pici というこの地方特有のパスタを頼む。マカロニを少し細くしたようなパスタでこれにカルボナーラ風のソースがかかっているこれはまあ普通。第二の皿としてレバーを注文した。これは Fegatello di cinta senese (Typical sienese Pork liver) ということでシエーナ風の料理のようだ。これがなんとも言えず美味しくて、わたしがこれまで食べてきたレバー料理の中では秀逸。ブリギッテが食べたのは、やはりこの地方特有のソーセージ Salsiccie alla brace (Grilled tuscan pork Sausage) と 白い豆を煮たもの Fagiolina del purgatorio al fiasco (White beans "purgga torio" cooked in flask) だった。お互いに分け合って食べてみたが今日はわたしの頼んだ料理の方が美味しかった。(^_^) これに水を二瓶、最後にエスプレッソコーヒーを飲んで2人で46ロ(チップを入れて50ロ)という値段はまあまあだろう。2人とも満足して帰途につく。

別荘に戻ると庭師がイノシシに荒らされた芝生の部分を修復するのに懸命に働いている。われわれは少しだけ泳いでからまた出掛けた。今日は夕方5時にこの近くの San Gusme というところにオリーブ・オイルを買いに行くことにしていた。この別荘の管理をしている女性に頼んで、その村でオリーブ・オイルを作っているところを紹介して貰うことになっていたのである。オリーブといえばトスカーナ、そこで作っているオリーブ・オイルを直接買うというのが今回、ブリギッテが期待していたことのひとつだった。

新鮮で、品質のよいオリーブ・オイルというのは単純な料理に使ってもおいしいものである。例えばわが家でもよくやるのだが、ニンニクのみじん切りを良質のオリーブ・オイルで炒め、そこへ茹でたスパゲッテイを入れて絡ませたものにパルメザンチーズを掛けるといった簡単な料理でも、オリーブ・オイルの品質が良ければこれほどおいしいものもない。

image案内して貰ったところは、その村でおばあさんの代からオリーブ・オイルとワインを作っているという小さな所だった。数個並んだ甕の中から5リットル入りの缶に油を入れて貰う。油の色もまさしくオリーブ色で美味しそう!ここはまた Chianti ワインを作っているところで試飲の結果ワインも買うことになった。

imageわたしは先入観があるせいか 2003年産が美味しいと思ったが、ブリギッテは2001年産がいいと言うので2001年産と2003年産のものをそれぞれ6本ずつ購入する。帰り道にブリギッテが「今日は昼食もレストランできちんと食べたし、随分散財しちゃったわね」と殊勝なことを言う。「まあ、夏休みだからいいんじゃないの」ということで一件落着。(^_^)

帰宅してまた一泳ぎしてから、昨日の残り物で簡単な夕食。今日はお昼にしっかりと食べたので余りお腹が空いていない。例によって8時からのテレビニュースを見たあとはそれぞれに読書とマック。(^_^)