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占星術殺人事件に続いての島田荘司作品。これはこれまで読んだ島田荘司作品の中で一番面白かった。最初のうちは古代エジプトの物語とタイタニック号の沈没、そして現代のエジプト島とやらの3つの場面が交代しながら話が展開していく。
ハッキリ言うとこの伏線というべき部分がちょっと長すぎた。文庫本ではなく新書版の、なんと全編575ページの中の315ページを費やしているのである。だから316ページ目で前回の「占星術殺人事件」と同じく名探偵「御手洗潔」が登場したときにはちょっと驚いた。今回はカバーの紹介要約も読まずにページを開いて読み始めたので、「御手洗潔」シリーズだとは気がつかなかったのである。
しかし名探偵が登場してからの、たたみ込むような推理を追っていく楽しさは最後まで充分に楽しめた。例によって読み終わってみれば、いかにも現実離れしたトリックと快刀乱麻を切るような推理に違和感を感じるのではあったが、途中は非常に昂奮するような部分もあったりして読んだ甲斐があったというものである。わたし自身の中にも、やはり古代ピラミッドというものへの神秘的なあこがれがあるからだろうか。
(2007年2月1日読了)