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2007年04月01日

"Parsifal" の一回目

このオペラが上演されると Ostern (復活祭) という感じになる。ドイツ版歳時記である。

遠方から観に来た友人と幕間に話し合ったのだが、オーケストラからはこのオペラで今まで気がつかなかったような音が聞こえたそうだ。そう言われて、終演前の出番の時には注意して聞いてみたのだが、確かに弦の低音楽器がいつもよりはクッキリと聞こえてくる。こういうところが Kent Nagano 氏の持ち味なのかも知れないと彼は感心していたようだ。われわれ合唱の第一幕の場も振り返ってみるとそういうところが何カ所か有った。

テンポはこれまでの指揮者よりはかなり速め。従来だと最後の場面の呼び出しは22時05分ぐらいにあるのだが、今日はなんと21時40分と約25分ほど速かった。これに慌てた同僚も何人か…。(汗)

最後の場面はかなりシリアスな場面なのだが、今日のわたしは笑いを堪えるのに必死だった。この演出では Titurel の亡骸が舞台の上に黒い紙をかぶって、わたしの右手前方に横たわっている。黒い紙の下にはエキストラの男性が横たわっているのだが、この人は今回初めてこの役をやる。その彼が何を思ったか、もうすっかり幕が上がっているのに紙の下でモソモソと寝返りを打ってしまった。紙をかぶっていて彼はすでに幕が開いていることを知ることが出来なかったから、仕方がないと言ってしまえばそれまでなのだが、わたしは心の中で「オイオイ、君は死んでいるんだよ。寝返りは打てないんだ」と呼びかけていた。続いて落語の「らくだ」まで思いだしてしまって本当に笑いを堪えるのが苦しかった。幸い、同僚数人の他は、観客も気付かなかったようだ。まったく、舞台というのは面白い!

Musikalische Leitung: Kent Nagano
Inszenierung: Peter Konwitschny
Bühne und Kostüme: Johannes Leiacker
Licht: Peter Halbsgut
Produktionsdramaturgie: Werner Hintze
Chöre: Andrés Máspero

Amfortas: Martin Gantner
Titurel: Clive Bayley
Gurnemanz: John Tomlinson
Parsifal: Nikolai Schukoff
Klingsor: Hartmut Welker
Kundry / Stimme aus der Höhe: Luana DeVol
Erster Gralsritter: Kevin Conners
Zweiter Gralsritter: Rüdiger Trebes
Erster Knappe / Erster / Zweiter Knappe: Tölzer Knabenchor
Dritter Knappe: Ulrich Reß
Vierter Knappe: Kenneth Roberson
Klingsors Zaubermädchen: Aga Mikolaj, Brigitte Jäger, Ann-Beth Solvang, Julia Rempe, Anaïk Morel, Cynthia Jansen

Das Bayerische Staatsorchester
Der Chor der Bayerischen Staatsoper

Parsifal から2007年4月1日に引用