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2007年09月27日

半日休暇

木曜日・雨のち曇り / 外気温15度
雨の日が四日続いてさすがにウンザリしてきていたが午後からは時々陽の光が射す天気になってきた。このまま快方に向かってくれればいいのだが。

今日は朝9時から歯医者の予約が入っていて、歯石の除去と総点検。思ったほどひどくはなかっただったのだが、やはり少しは痛めつけられてちょっと落ち込んでいた。(-_-;) それから遅れて参加した音楽稽古が午後1時に終わって、その後は今日はなにも無し。久し振りの半日休日である。開放感に溢れる午後となった。折りからうっすらと太陽の光も射してきて、さて、真っ直ぐ家に帰るのも藝がないなぁと思いながら地下鉄の Isartor 駅まで歩いていった。

本来なら現在開催されているオクトーバーフェストの会場である Wiesn に足を運べば良いのだろうが、どうもあの喧噪と人の波が好きになれない。この時期にはかえって普通のビアホールの方が落ち着いてわたしには好ましい。ちょうどお昼時だったので Hofbräukeller で昼食をとることにした。

想像していたとおり Hofbräukeller の中は程良い混み方でドイツ語で云うと Angenehm という感じである。席に着いてみるとテーブルの上には「新鮮な樽出しのオクトーバーフェストビール・3.6ユーロ(500ml)」というカードが乗っている。躊躇なくこれを注文し、料理を物色する。まず突き出されたビールを見ると普通の Hellesbier よりはいくぶん色が濃いめ。一口含むとこれまた飲み慣れたものとは違ってアルコール度の高さが感じられる。 Kellner(給仕)に訊くとアルコール度は約6.7%で、ミュンヘンの他のビール会社のどこよりも高いと誇らしげに教えてくれた。選んだのは豚肉料理の Schweinelendchen +シュベツェレに茸のクリームソースが掛かったもの。(11.5ユーロ)

料理が出てくるまでの間、現在読んでいる文庫本を開いて続きを読んでいたのだが、なんたる偶然か突然次のような文章が出てきて、一瞬自分がどこにいるのかわからなくなりそうになる。なんだか「白昼夢」の中にいるような感じ。

さてーその翌る日、俺が神田三河町は栄治兄ィの家(ヤサ)を訪ねて見れァ、愕くじゃねえかい、その昔八丁堀の同心だったてえ大家の爺と栄治兄ィ、朝っぱらから件の小龍景光を肴に、ホーフブロイなんてえ舶来のビールなんぞ飲んでいやあがる。
天切り松 闇がたり・第三巻 「初湯千両」/ 浅田次郎著 p.181 から引用

こういう巡り合わせってあるんだぁ、と自分でもおかしくなった。残念ながら歯医者で歯石を除去したあと、うがいをさせられた薬品の味がしつこく口中に残っていて、料理の味は今ひとつ楽しめなかった。塩味がほとんど感じられなかったのである。これだけが期待はずれだったけれど、半日休暇のひとときをゆったりと楽しめたのは幸せだった。浅田次郎氏のこの本はしかし、かなり奔放な小説。もう読んだ方も多いと思うが永井荷風や森鴎外が登場したりして楽しませてくれる。(^_^)

帰宅後は溜まっていた洗濯物のアイロン掛けを片づけ、そのあと散歩。今日はこれでお終いと思っていたがユリアが「日本食を食べたい」というので急遽ご飯を炊き、ジャガイモと大根のおみそ汁、それに鶏肉とマッシュルームの炒めものを作る。