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2008年06月28日

「Dr.Faust」の Premiere

ようやく Premiere を迎えた。そして、この作品が今年の Festspiele の初日を飾ったわけである。わたしの二人の娘たちがゲネラルプローベを観に来て「音楽的にも面白いし、歌手たちが良い」という事だったから、今夜の観客の反応を興味を持ってみていたのだが、どうも少し距離を置いているみたい。それほど熱狂的なブラボーは無かったけれど、しかし「ブー」の声も聞かれなかった。

image このオペラを演出した Nicolas Brieger という人は演劇畑の人で、どうもオペラの世界の約束事をよく理解できていない面も見受けられた。そういう新しい風が入ってくる事は決して悪い事ではないのだが、わたし個人は随分戸惑う事が多かった。このオペラをどう演出したのかという事はわたしも実は良く知らないのである。オペラが始まって最初の1時間、合唱は舞台に近い別室でマイクに向かって歌っている。舞台はまったく見えていないのである。しかしそのあとからはほとんど舞台に乗っている。

このオペラの主要人物であるメフィストフェレス(John Daszak )Dr.Faust(Wolfgang Koch)は大変な役である。テノールで歌われるメフィストフェレスはとても音域が高いし、歌唱スタイルも多様なものを要求される。ファウストの方は殆ど出ずっぱりである。ところで、ファウストを歌った Wolfgang Koch というバリトン歌手は、これからの注目株だろう。とても美しい声でダイナミックレンジも広い。何よりも声に色気を感じられるのが良い。時折、若い時のヘルマン・プライを思わせる音色と歌唱スタイルが感じられ、思わずドキリとしてしまうこともあった。今回の Festspiele ではあと2回の公演(7月3日/7日)が予定されている。

いつもの様にこの作品のヴィデオ・クリップと写真はDoktor Faustから見ることが出来ます。

BESETZUNGEN

Musikalische Leitung: Tomáš Netopil
Inszenierung: Nicolas Brieger
Mitarbeit Inszenierung: Roy Rallo
Bühne: Hermann Feuchter
Kostüme: Margit Koppendorfer
Licht: Alexander Koppelmann
Video: fettFilm
Chöre: Andrés Máspero
Dramaturgie: Sophie Becker

Doktor Faust: Wolfgang Koch
Wagner, sein Famulus, Rector magnificus / Gravis, Geisterstimme I: Steven Humes
Mephistopheles / Nachtwächter: John Daszak
Der Herzog von Parma / Des Mädchens Bruder, Soldat / Megäros, Geisterstimme V: Raymond Very
Die Herzogin von Parma: Catherine Naglestad
Zeremonienmeister: Alfred Kuhn
Ein Leutnant / 1. Student aus Krakau / Student I aus Wittenberg: Ulrich Reß
Naturgelehrter / 2. Student aus Krakau / Asmodus, Geisterstimme III / Ein Student (Letztes Bild): Adrian Sâmpetrean
Theologe: Christian Rieger
3. Student aus Krakau / Levis, Geisterstimme II / Student III aus Wittenberg: Rüdiger Trebes
Beelzebuth, Geisterstimme IV / Tenorsolo: Kenneth Roberson
Solist I: Elif Aytekin
Solist II: Laura Rey
Solist III: Stephanie Hampl

Das Bayerische Staatsorchester
Der Chor der Bayerischen Staatsoper

Doktor Faust から2008年6月29日に引用