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2008年10月02日

Macbeth の初日

わたしにとっては今シーズンの幕開けである。数日前からすでにレパートリーの公演自体は始まっているのだけれど,新演出初日ということだ。

Besetzung

Musikalische Leitung: Nicola Luisotti
Regie: Martin Kusej
Bühne Martin Zehetgruber
Kostüme: Werner Fritz
Licht: Reinhard Traub
Chöre: Andrés Máspero

Macbeth: Zeljko Lucic
Banco: Roberto Scandiuzzi
Lady Macbeth: Nadja Michael
Dama di Lady: Macbeth Lana Kos
Macduff: Dimitri Pittas
Malcolm: Fabrizio Mercurio
Arzt: Steven Humes
Diener: Rüdiger Trebes
Mörder: Christian Rieger
Erscheinung 1: Igor Bakan
Erscheinung 2: Tölzer Knabenchor
Erscheinung 3: Armin Gramer

Bayerisches Staatsorchester
Chor der Bayerischen Staatsoper

Macbeth から2008年10月2日に引用

9月29日にゲネラルは終わっていて,そのあとにパーティがあったせいで、どうもいつもの Premiere のドキドキする華やぎが無い。なんだか通常の公演のような感じだった。演出家の Martin Kusej は舞台稽古の時も客席に関係者以外の立ち入りを禁じていたので,わたしは今回の Macbeth の全容を見ていない。われわれの出番に限って言えば淡々と破綻も無く過ぎていった。

楽屋で舞台から流れてくる音を聞いていたのだが,ときどき客席からの「ブー」の声が聞こえていた。しかしそれは歌手に対してではなく舞台装置に対してのものだったようだ。

カーテンコールになって,さて客席の反応は?というのが Premiere の時の楽しみなのだが,ソリスト陣に対する反応は特に熱狂するわけでもなく初日にしてはちょっとおざなりな感じがした。ソリスト陣は決して悪かったわけではなく水準を遥かに超えた出来だったと思う。この辺が Premiere の観客の限界かも知れない。

指揮者に対するブラボーはかなりのものだった。今回の Macbeth が成功したとするならば、彼の功績は大きいだろうと思う。

演出家を筆頭に彼のチームが出てきた時には盛大なブーが飛んだ。ここ最近の Premiere ではブーも出ていたけれど、すぐにブラヴォーの声に消されていたのだが,今夜はブーの声が支配していた。だからといって演出がひどいものだったかと言うと,そういうことではない。演出家にとってある種のブーは観客が彼の意図に対してそれだけ反応してくれたという意味で,成功とも受け取ることが出来るのだ。本当のオペラ愛好家が来るのは次の2回目からの公演で、そこで観客がどう反応するか,それが楽しみである。(^_^)