« 気持ちのよい秋日和が続く | Main | 今日が美しい秋の頂点かも知れない »

2008年10月13日

天狗風-霊験お初捕物控(二)/ 宮部みゆき著(講談社文庫)

image Japan Club からお借りした。宮部みゆきの本というのはそんなに多く読んでいないのだが,この表題を見て「あれ?時代物も書く人なのか」と不思議だった。

六蔵という岡っ引きを兄に持つ、お初という娘が特殊な能力に恵まれていて,それを使っての捕り物控えということである。超能力を扱ったという点でわたしが勝手にカテゴリー分けしていた宮部みゆきという作家と違和感なく繋がった。

本題の天狗風というテーマにはそれほど感心はしなかったけれど,お初を取り巻く数人の人物像が読んでいて楽しかった。この本の前に『震える岩』というのが出ているそうで,今回読んだのはそのシリーズの2回目ということだ。

このシリーズはしばらく続きそうな気がする。トリックとか謎解きとかが少々陳腐であっても,これらの登場人物をうまく動かしていけばけっこう読者もついてくると思う。捕物帳というのはそういう性格のもの。

(2008年10月10日読了)