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2008年11月27日

地下街の雨 / 宮部みゆき著(集英社文庫)

image 先回に読んだ著者の「楽園」が面白かったので、可能ならまた宮部みゆきさんの本を読んでみようと思っていた。Japan Club からお借りした本である。本を手に取ってみて初めて短編集であることを知った。わたしは、どうも「短編集」というジャンルが余り好きになれない。小説はやはり長編をじっくりと読んでみたいと思うのである。どんなに優れていると評判の短編を読んでも最後には必ず「肩すかし」を食ったような感慨が残る。

この本は
1.地下街の雨
2.決して見えない
3.不文律
4.混線
5.勝ち逃げ
6.ムクロバラ
7.さよなら、キリハラさん
の7編から構成されている。もちろん、それぞれに関連性はない。

短編だからといってしまえばそれまでだが、この7つの小説にはわたしがこれまでに感じた宮部みゆきという作家像が感じられなかった。あっさりとし過ぎてしまっていて良い意味での粘り、執拗さが見られなかった。6番目の「ムクロバラ」は肩すかしも良いところで、その落としどころの意味が未だにわからないでいる。(汗) やはり、わたしにはまだ短編を楽しむだけの素養がないようだ。

(2008年11月27日読了)