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2009年08月19日

お伊勢参り

水曜日・曇り
6時25分起床。今日は金沢を去って一路、伊勢市へと向かう。お伊勢参りである。(^_^)

今回の旅行日程は実は行き当たりばったりで、ドイツを離れるときには確としたプランはなかった。とにかく一週間の Japan Rail Pass を有効に使うような旅をしようと思っただけ。そこで、どうせ旅をするのなら、一度は行っておきたいと思う場所を挙げてそこを効率よく歩けるように繋いだだけなのである。

お伊勢参りというのは一度はしてみたかった。そのモチベーションとなったのはなんと落語である。江戸の町人がとても楽しみにしていたお伊勢参りとやらを自分でもなぞってみたかったのだ。結論から言うと平成の一旅行者にとっては落語の世界を復唱できるはずもなく、この点については江戸期の町人のほうが幸せだったと確信する。(^_^;)

伊勢市駅の近くだということで昨夜 Internet で予約したビジネスホテルなのだが、その駅に着いてみるとなんと近鉄線と JR 線が二つ入っている。確かに近鉄特急は快適だったけれど、別に時間に追われているわけではないのだから JR をパスで使えたのだった。これは自分のミスであるから仕方がない。

たいした距離ではないが、暑い中をホテルまで歩いていって見ると、なんだかこれまでに馴染んできた大都市のビジネスホテルとは様子が違う。明らかに家族経営であって、建物もボロイし、どことなく不衛生な感じがしないでもない。まあ、一晩だけだからいいかと思い直す。チェックインが16時からだというので、カートの荷物だけを預かって貰い、身軽なリュックサック一つになって伊勢神宮に向かう。伊勢神宮というのは外宮と内宮との二つからなっていてこの間はかなり距離がある。案内書を読むと外宮から見始めるのがしきたりらしい。

その前に腹ごしらえをしようと思ったが、ホテルの周囲にはとにかく飲食店がほとんど無い。唯一の選択肢である、外宮の真ん前にあるショボイ感じの食堂に入ってみる。店内にはサービスのおばちゃんが二人。テーブルに座ってみるとのれんの向こうに見える厨房で働いているのもおばちゃんである。これを見てなんだか嫌な予感がした。今回はなぜか女性だけが働いているレストランとか食堂にぶち当たり、それがことごとく期待を裏切っている。わたしが最初に注文したものはすでに売り切れていて、名物だという 「伊勢うどん」をおばちゃんに勧められた。

そして、出てきた「伊勢うどん」なるものがなんともわたしの口には合わないものだったのである。やけに太くて全然シャキッとした歯ごたえが無く、つけ麺かと思わせるようにドンブリの底に、それも真っ黒な代物がうどんの下に沈んでいる。グリグリとかき回してソースをうどんに絡めてみたがその色と姿を見ただけで食欲が失せるというものである。果たして口に含んでみれば.........。 ああ、貴重な旅の一食を失った!(少し大げさか)

「伊勢うどん」の名誉のために言うと、たまたまこの食堂がまずかったのかもしれず、ちゃんとした店で食べればまた違った印象が得られるのかもしれない。しかし、もう一度「伊勢うどん」を食べる勇気はわたしにはない。

image気を取り直してお伊勢参りに出掛ける。まずは外宮から。まあ、神宮全体のたたずまいはうっそうとした緑があって、それは楽しめるのだが、肝心なお目当ての本宮などはほとんど見学できないことになっている。写真撮影もいけない。これは内宮も同じだった。せっかくの参拝を拒絶されたような、「隔靴掻痒」なという感じで、暑さと疲れだけが増していく。

内宮を出たときは午後4時過ぎでまだまだ暑い。ふと見ると内宮の向かいに 「おかげ横町」なるお土産屋が軒を連ねている 通りがあって凄い人出である。わたしも喉が渇いていたからペットボトルのお茶を買ってそぞろ歩きを楽しんだ。不思議な開放感がある。きっと神宮巡りをしていて無意識に緊張していたのが解放されたのだと思う。娯楽の少なかった江戸期の町人たちにとってこういう通りはきっと素晴らしく楽しいものだったに違いない。

image その中でもひときわ大勢の人が並んでいる店があった。なんだろうと思って覗いてみたら 「赤福」の餅と、その向かいにある同じ赤福経営の氷水屋さんだった。このお店は先頃、賞味期限切れの賞品を売って叩かれたところではなかったろうか。あの時メディアは鬼の首でも取ったようにこの店をバッシングしたが、どっこい庶民のほうが現実的でしたたかだったということだろう。

バスでホテルの近辺まで戻ってきて、夕食を食べに行く店を物色しながら歩いてみる。ところがこれが無い!食堂とかレストランとかの看板がまず見当たらないし、やっと見つけても入る気がしない店構えである。仕方ないからホテルの近くにあるコンビニで缶ビールを二本とお弁当を買った。レジのところでおいしそうな匂いをたてている「おでん」があったのでビールのおつまみにと、大根、はんぺん、ゴボウ巻きを加える。

部屋に戻って食べてみたが、これがなかなかいける。少なくとも名物の「伊勢うどん」とは比較にならない。ここでやっと自分の機嫌が直った。(笑) 金沢の B級グルメも期待はずれだったが、ここはそれ以下。お伊勢参りは今日のうちに済ませたので、明日は早々にここを立ち去ろうと思う。救いはこのホテルに無線LANが装備してあったこと。