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2009年08月21日

終わりよければすべて良し

金曜日・曇り所によって小雨
5時半起床。昨夜はけっこう遅い就寝だったのに、6時前に眼が覚めてしまった。さて、今日はどうしようと考えていたらあることがひらめいた。もし、今回、可能だったら行ってみたいと思っていた処があったのである。

それは一ノ関市にあるジャズ喫茶「ベイシー」。ジャズが好きで、オーディオにも興味のある人なら大抵知っているだろう。あの重くて厚い「STREO SOUND」誌を毎号購入して送ってくれる友人のおかげでわたしの書棚には少なくとも10年以上前からのバックナンバーが揃っている。その中に「聴く鏡」というエッセイを連載されている菅原昭二氏が経営されているジャズ喫茶が「ベイシー」である。

わたしは家にいるときにはクラシックよりはジャズを聴いていることが多い。しかしわたしが好んで聴くのはせいぜいトリオかカルテットまでの小編成のもので大音量で鳴るビッグバンドは殆ど聴かない。わたしのステレオ装置がビッグバンドを爽快に鳴らすには役不足なのもあるけれど、その良さがよくわからないまま今日まで来てしまった。

しかし「ベイシー」に関する名声を読んでみると、「生以上の音量と迫力のある音」とか「一音で「ズンっ」と空気を揺らすような重量感とボリュームがありながら、軽々とバウンドするように出てくるその低音」とかの賛辞がいとまがない。もしかして、そういうオーディオの音に接したらビッグバンドが好きになるのではないだろうかと期待したのである。

そう思いついたらフットワークは軽い。ささっと朝風呂を浴びて9時16分・東京発の東北新幹線に乗っていた。東京駅に行く前に、隣の品川駅で途中下車し、一旦改札口のフラットまで上がって念願の「天ぷらうどん」を食べる。血圧降下剤を服用しているので朝は少し何かお腹に入れておいた方が良いのだ。うまい! これでまだ食べていないのは吉野家の牛丼(ツユダク)だけ。(^_^;)

睡眠時間が少ない上に、お腹が気持ちよくおさまっていたから、列車の快い振動であっと言う間に眠りの底に引きずり込まれていた。次に眼が覚めたのは仙台駅停車の時だから2時間近く熟睡していたことになる。一ノ関は次の停車駅である。グッスリと眠れて、これでまた元気が出てきた。

Internet で調べて「ベイシー」の開店時間は13時半だということは知っていた。それでも時間に余裕を持ってで掛けたのは、まだ訪れたことのない一関市の街並みを歩いてみたい気持ちがあったから。残念ながらわたしが着いたときには小雨が降っていて、町を歩くには余りよい状況ではなかった。まあ、「ベイシー」の場所の下見だけでもしておいて、開店までの時間を近くにあるという家老屋敷でも見学していようと、歩き出す。

image image しか〜し、着いてみるとそこには 「本日休業」の紙片が貼られていた。さすがにガックリきたけれど、仕方がない。心のどこかにはそんなこともあるかもしれないという準備は出来ていた。家老屋敷を見る気持ちも失せて即、一ノ関駅まで引き返し、12:46分発の東北新幹線に乗って東京までとんぼ返り。

それほどガッカリしなかったのは Japan Rail Pass を使ったせいだろう。快適な新幹線の中でグッスリ眠れて元気を取り戻せたのだと思えば、それはそれで自分を納得させることが出来る。

夕食は懐かしいニフティ・クラシックフォーラム時代の知人たち3人が集まってくれてミニオフとなった。皆さん忙しい身体なのにその合間を縫って宴に参加してくれて、本当にありがたいと思う。

集まった場所は新橋駅にほど近い焼鳥屋、そして二件目は居酒屋。焼き鳥はおいしかったなぁ。手際よく運ばれてくる串のどれもがわたしには感涙ものだった。

外国かぶれしていると思われると心外だが、しかし、客たちの話し声の暴力的な大きさだけはなんとかならないものかと思った。われわれの会話が成立しないほどその喧噪が激しいのである。いつの間にかそれに負けじと声を張り上げていたら最後のほうは喉が痛くなってしまった。もう少し静かに飲もうよ。(^_^;)