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2009年10月16日

冬への準備

数日前からわたしの住んでいるアパートのどこかから「カ〜ン、カ〜ン」という音が聞こえてくる。これが聞こえてくると「ああ、冬が来たんだ」と思う。

ドイツの暖房というのは個人の一戸建て…二戸建て、集合住宅、という形態にかかわらず、ほとんどがセントラル・ヒーティングになっている。少なくともわたしがこれまで移り住んできたところで例外はなかった。

image そのほとんどは地下室にボイラー室があって、そこで温められたお湯が建物の中のパイプを循環している。それが個人の住まいの部屋を通るときには左の写真のような暖房器を通っていく。

image もちろん夏の間は使わないわけで、そのときには写真のハンドルを回してゼロに近いところまで締めておく。今週のように「スワッ、雪だ!寒い!」と感じたときに慌ててこのハンドルを回すことになる。
ところが数ある部屋に付いている暖房器の全てがスンナリと立ち上がってくれるということはまず無い。必ず数個の暖房器はハンドルを目いっぱい回しても暖まってくれないのだ。何故か?

image 不可抗力ではあるのだが、多いのは暖房器の中に何らかの理由で空気の泡が入ってしまっていること。この時には左の写真のように暖房器の端に付いている栓を専用の鍵を使って回し、空気抜きをしてやる。流れ出てくる水と一緒に「ババッ!」という音とともに空気が抜けたら成功。これは簡単だが、次の理由の時にはちょっと手間が掛かる。

image その一番の理由は気候が暖かくなって暖房器を使わなくなったときにこれ以上閉まらないという位置までキッチリ占めてしまうから。肝心なのはキッチリとゼロにせずにそのちょっと手前ぐらいのところで回すのを止めておくことなのだ。これによって調整弁に遊びを与えておくわけである。ところがわたし以外の家族が最後に締めたときにはそんなことはお構いなくギュッと最後まで締めてしまう。今回のように急に寒くなって暖房しようと思い、ノブを回しても暖まらないと文句を言う人がその犯人である(ことが多い)。(^_^;)

image この状態の時にはノブを最大の位置まで開けておき、木製のハンマーでノブの根本をカンカンと軽く叩いてみる。これによって固まってしまった弁を衝撃で解放してやる。これでうまくいけばしめたものなのだが、そうでないときにはこのノブを外して弁をむき出しにし、ペンチのようなもので弁を掴んで数回出し入れし、動きを滑らかにしてやる。これでもうまくいかないときには弁を最大まで引き出しておいてから木槌でカンカンと叩いてやる。ここまでやって駄目なときには専門職の人に依頼するしかない。

どうやら今年も各部屋に暖房が行き渡るようになって、なんとか冬を迎える準備の一つが終わった。しかしまだまだ冬への準備は終わったわけではない。