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2010年04月02日

受難の日

金曜日・晴れ / 外気温10度
9時40分起床。聖金曜日ということで祝日。劇場も今日はなんの公演もなく休み。昼間は妻にこき使われて、夜は余り気乗りのしなかった「マタイ受難曲」に付き合わされた。のんびりと好きなことをしようと思っていたわたしにとっても今日は受難の日。(^_^;)

今朝は二度寝ならぬ三度寝までして、最近にはなく10時少し前の起床。寝室のカーテン越しに明るい陽の光を感じて目覚める。それほど気温は高くなかったけれど、昨日の凍るような寒さが嘘のような天気。太陽の光が有るか無いかでわたしの気分は180度違ってくる。

朝食というよりはブランチといった方がよい食事が終わって、さてゆっくりとMacに向かおうかと思っていた矢先に 「週末の掃除は土曜日ですけれど、明日は復活祭の食事の準備がありますから、今日に繰り上げます」と宣告される。(-_-;) まずはベッドカバーの総入れ替え。それが済むと各部屋、浴室に掃除機をかける。

それが済むと、冬の間テラスにしつらえてあった小鳥の餌台を地下室に運び、それと入れ替わるように夏用の椅子とテーブルをテラスに運び上げる。これが結構汗をかく仕事で、終わった時には喉がカラカラ。さあ、これからがわたしの自由時間と思ったら夕方18時からの 「マタイ受難曲」に付き合わされた。

自分で歌うのならともかく、教会に受難曲を聴きに行くというのは二の足を踏んでしまう。ブリギッテの言い分は 「自分の娘のカローラが今日フルートを吹くのに父親であり音楽を職業としているあなたが聴きに行かないってどうなの?」というもので、こうして理詰めで迫られると勝ち目はない。結局行く羽目に。

振り返ってみると、わたし自身はほぼ30年前に「マタイ受難曲」のテノール・アリアを歌った経験がある。アマチュアの合唱団に雇われてイタリア巡業(ボローニャとレッジョ・エミーリア)での公演だった。どちらの教会も文字通り立錐の余地もないほどの聴衆で最前列はわたしの2mほど前。余りに近くて歌いにくかったのは勿論だが、イタリアでバッハの受難曲がこれほどの聴衆を集めるというのが驚きだった。ミュンヘンへ向かう帰りの列車ではボローニャからミュンヘンまで食堂車に陣取って、 St. Christina という銘柄の赤ワインをその時一緒だったバリトンのソロ歌手と飲み続けたのが楽しい思い出として残っている。

しかし、それにしても「マタイ受難曲」は長い!!! 終わった時に iPhone を見たら9時を過ぎていた。3時間あまり教会の堅い木のベンチに腰掛けていたからお尻の痛いこと! 気のすすまぬ演奏会に行ったのだから、今晩はわたしの尻をマッサージしてくれとブリギッテに言ったら、フン!と無視された。