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2011年01月09日

民族と味覚

普通の日本の家庭では元旦にお雑煮を食べる。我が家でもその習慣がずっと続いていたのだが、今年は娘たちがそれぞれ独立して生活し始めたから元旦には集まれなかった。今日の日曜日(2011年1月9日)がその日になった。それでも次女が欠けている。

我が家の娘たちは三人とも餅が大好きなのだが、小さい頃からお雑煮というものをあまり好まなかった。圧倒的に「磯辺巻き」のほうを好むのである。それでもブリギッテの 「元旦にはお雑煮を食べる、これが日本の伝統です」の一言で元旦はお雑煮を食べ続けてきた。

今日もその主役は「お雑煮」であったのだが、娘に甘いわたしとしては、形式的に「お雑煮」を食べさせておいてその後に「磯辺巻き」を出したら喜ぶだろうと思ったわけだ。その辺のことを朝 Twitter でつぶやいたら kohatchan さんが面白いことを教えてくれた。

kohatchan さんも二人の娘さんを持つ父親で、やはり娘さんたちも「磯辺巻き」が大好きなのだそうだ。その「磯辺巻き」の作り方を教えていただいたが、それを引用してみる。

味付けはお醤油と砂糖(みりん)ですが日本酒を少し入れます。網焼きもしますがフライパンにバターで焼くのが我が家のスタイルです。
最初は弱火、中火で表面がカリッと焼き上がったらしっかりタレにつけ海苔を巻いたらOK!

なるほどと思ったがこの方法はやったことがなかったので、今日、ぶっつけ本番で試すのはちょっと躊躇してしまっていつも通りに網焼きで「磯辺巻き」を作って娘たちに食べさせた。

夜になって小腹が空いたわたしとブリギッテは kohatchan さんに教わった調理法を試してみた。kohatchan さん宅は多分ガスで料理しているのだと思うのだが、我が家は昔で言う「電熱器」であるが故に火加減が難しい。しかし、注意しながらほぼ満足すべき姿に焼き上がったと思う。

で、ブリギッテに早速試食して貰ったのだが、彼女の意見は 「わたしは今まで通りの網で焼いた方が好き。なんと言っても日本のキャラクターが感じられる」というもの。

続いてわたしも食べてみたのだが、これはいける!「これはバターと醤油が合うという一つの典型だな。バターで焼き上げた餅の表面のパリッとした感覚も良いし、これまでとは違う味がする」というものだった。

二つの感想を並べてみるとなんだか面白い。日本人のわたしは、網で焼いた方を基本に、選択肢の一つとして「フライパン+バター」というのも受け入れているのに対して、ドイツ人のブリギッテは「フライパン+バター」を認めず「網焼き」に限るとしていることである。やはり日本人の方が普遍性(広い心)を持っているということではないのかしら、ってちょっと我田引水が過ぎる?(笑)