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2011年01月23日

" Lohengrin "の3回目

今シリーズ3回目の公演。ソリスト陣は今日も変更はなし。

今夜の公演は思いがけず切符が手に入ったのでブリギッテが観に来た。彼女は Premiere の時の Jonas Kaufmann を聴いているので今夜の Ben Heppner がどう歌い、演じるかに興味があったようだ。終演後の彼女の感想は 「Jonas Kaufmann と較べたらとてもガッカリした」というものだった。彼女はオペラに関しては殆ど初心者と言っても良いので、その感想は時に的外れであったりするのだが、その反面、新鮮で興味深いものもある。

彼女が言うには 『まず、見た目が良くない。デップリと太った体型と油染みた長髪がローエングリンにはふさわしくなかった。そしてドイツ語の発音がいかにも外国人のアクセントでそれにも興ざめだった』というものだった。

ここでオペラを一緒にやっている側のわたしからひとこと弁護しておきたい。(笑) Ben Heppner の体型や髪型などは普通なら衣装と演出の面でカバーできる範囲内のものである。この演出が Jonas Kaufmann のローエングリンを前提として作られた点で、今回は不幸な結果になったと言える。彼の着る青い Tシャツはそのまま身体の線が出てしまうから、それなりに引き締まった美しい肉体には映えても、腹の出た体型ではマイナスの面だけが強調されてしまう。衣装係もその点は心得ていてTシャツではなく、青い普通の襟のあるシャツを着せたのだがそれでも Ben Heppner の体型そのものすべては補正しきれなかった。

わたしは Ben Heppner の今回の歌唱は素晴らしいと思う。それでもごく普通の聴衆の一人であるブリギッテが『ドイツ語の発音がとても気になった』と言うのであれば、その感想は素直に受け入れるしかないのかなとも思う。

結論としてはこの演出は Jonas Kaufmann がローエングリンを歌ってこそ成り立つものだということだろう。今年秋の日本公演で Jonas Kaufmann がキャンセルしないことを祈りたい。(笑)

Besetzung

Musikalische Leitung: Kent Nagano
Inszenierung: Richard Jones
Bühne und Kostüme: Ultz
Licht: Mimi Jordan Sherin
Produktionsdramaturgie: Rainer Karlitschek
Chöre: Sören Eckhoff

Heinrich der Vogler: Christof Fischesser
Lohengrin: Ben Heppner
Elsa von Brabant: Elza van den Heever
Friedrich von Telramund: Evgeny Nikitin
Ortrud: Janina Baechle
Heerrufer des Königs: Markus Eiche
Brabantischer Edle: Francesco Petrozzi
Kenneth Roberson
Peter Mazalán
Tareq Nazmi
4 Edelknaben: Tölzer Knabenchor

Das Bayerische Staatsorchester
Der Chor der Bayerischen Staatsoper

Lohengrin から2011年1月23日に引用