« 天気はちょっと下り坂 | Main | 『夏時間』は雨で始まった »

2011年03月27日

" i Capuleti e i Montecchi "の Premiere

ロメオ役を歌うカサロヴァが病気のためにキャンセルしたのが数日前。波乱含みの Premiere だったが、終わってみれば観客の暖かい拍手とブラーボーの声に包まれた素晴らしい公演となった。

カサロヴァを目当てに切符を買っていた人も多かったと思うけれど、彼女抜きでも今日の Premiere は大成功と言っても良いのではないか。その功績は急遽ピンチヒッターに立った Tara Erraught を第一にあげなくてはならないだろう。まだ若い歌手だけれど、柔軟性も度胸もありそうでこれからが楽しみ。

そしてもう1人の功績者はジュリエッタ役を歌った Eri Nakamura だった。最初から最後までキッチリと緊張感を持って歌い抜いた技量はお見事の一言に尽きる。観客からのブラボーも圧倒的なものだった。カーテンが下りてわたしが『おめでとう、素晴らしかったですよ』と言うと自分では100%の出来ではなかったような表情を浮かべていた。こういう歌手はこれからもっともっと期待できる。

上に書いたようにブラボーと拍手が多かったのは主役の2人。そして指揮者、演出チームに対しても大きな声援が飛んだ。演出にブーが出ないというのも最近は珍しい。

Premiere が終わったので書くけれど、今回の指揮者にわたしは大いに不満足。合唱の部分に限って言えば、練習のたびに彼のテンポが大きく変化する。オーケストラも舞台稽古の途中から彼の棒に付いていかない部分が多くみうけられた。今夜も数ある合唱のナンバーの一つをゲネプロとはまったく違った速いテンポで棒を振り出したので実は内心ギョッとしていたのである。こんな時は棒を見ないでオーケストラに合わせることで切り抜ける。(^_^;)

Besetzung

Musikalische Leitung: Yves Abel
Inszenierung: Vincent Boussard
Bühne: Vincent Lemaire
Kostüme: Christian Lacroix
Licht: Guido Levi
Chöre: Sören Eckhoff

Romeo: Tara Erraught
Giulietta: Eri Nakamura
Tebaldo: Dimitri Pittas
Capellio: Steven Humes
Lorenzo: Carlo Cigni

Bayerisches Staatsorchester
Chor der Bayerischen Staatsoper

I Capuleti e i Montecchi から2011年3月27日に引用