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2011年06月11日

オーケストラの演奏会で気になること

オーケストラの演奏会を聴きに行っていつも気になることがある。ドイツ・ミュンヘンでの体験。

その夜の全プログラムが終了して一旦舞台の袖に引っ込んだ指揮者が観客の拍手で呼び出される。その時に再び出てきた指揮者が観客の拍手に応える前にソロを弾いた奏者やそのセクションを指揮者が指差して立たせ、観客に拍手を促すのをよく見る。

特に難しい部分を立派に演奏しきった奏者とかだったら納得できるのだが、なんだかそれが形骸化していることが多い。特に指揮者が客演の時で、演奏自体からそれほどの感銘を受けないときにそう感じてしまう。

客演した指揮者にしてみれば次にまた呼んで貰うためにはできるだけ楽員に好印象を持って貰おうとするのだろうが、それが見え見えの時には本当に「いい加減にしてくれ」と言いたくなってしまう。時には立つように勧められた奏者が「なんで俺が?」と当惑した表情を見せたことも数回経験した。

観客に拍手を強要するということは下世話な表現だが 「人のふんどしで相撲を取る」ということだ。 そういう事は舞台裏でやってくれ、と突っ込みを入れたくなる。

オーケストラはそれ自体でひとつの大きなアンサンブル・響体(Klangkörper) であるのだからとってつけたようなことはしなくても良いのではないかと思うのだ。最初から最後までほとんど弾きっぱなしの弦の奏者に対しても失礼ではないだろうか。