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2011年10月29日

ドイツ語でメールを書くという行為は難しい

日本から戻ってきてまもなくひと月になろうとしている。なんだかずいぶん遠い日の出来事だったかのような気がしている。時折、頭の片隅に残っていた出来事がふとした拍子に断片的に浮かんでくる。今朝、シャワーを浴びていたときにはメールの件を思い出した。

わたしが日本滞在中にも、ブリギッテは勿論だが3人の娘たちから何通かメールが届いていた。その内容は自分たちの近況を知らせるものがほとんどだったが、最後には必ずと言って良いほど 「パパはちっともメールをくれない。たまには書いてちょうだい」というものだった。

わたしはドイツに住んでもう30年を超えたが、いまだにドイツ語で文章を書くのは苦手である。出来れば避けたいし、家庭にいるときには避けることも出来ていた。面倒なドイツ文を書かなくてはならないときには一応自分で下書は書くが、それをブリギッテなり娘たちに渡して添削して貰えば済むことである。しかし日本に1人でいるときにはその手は使えない。まさかドイツ人の同僚に文法的な間違いを直して貰うことは出来ないし、家族間のことだからその必要もない。(^_^;)

いつも通りの間違いだらけの文章を書いてそれを送ればよいことなのだが、そこはそれ、見栄坊のわたしとしては一応ちゃんとしたドイツ語でメールを書いて送りたい。それで結局、ついつい先送りしてしまう結果になり娘たちから催促されるのであった。

わたしとしては文法的にまあまあのメールが書けたと思ったが、3人の娘たちにそれぞれ内容の異なる文章を書くのはこれまた大苦行である。しかし、メールにはコピー・アンド・ペーストという最大のメリットがある。わたしはメールの半ばくらいまでは自分の近況を報告、そのあとに少しだけ娘たちへの個人的な内容を書いて送った。

さて、わたしがドイツに戻って、現在ベルリンで実習中である次女を除く長女と末娘が迎えてくれたのだが、彼女たちがニヤニヤ意味ありげに笑いながら
「メールありがとう」
とお礼を言ってくれた。わたしが
「どうだ、それほど間違いのないまあまあのメールだったろう?」
と言うと
「そうね、間違いはあまりないけれど(ゼロではない)、わたしたち娘にくれたメールの内容は一字一句同じで、最後の数行だけがちょっと違っていただけだったわね」
と返事が返ってきた。

当然のことながら娘たちの間でも Mail や SMS、 Facebook などをやりとりしていて、わたしが日本から出したメールのことも話題に上ったのだろう。彼女たちはわたしの出したメールに不審を感じてそれぞれに出したメールを交換しあってその違いを付き合わせたらしいのだ。(^_^;)

文明の利器、インターネットも「両刃の剣」であることを再確認した次第。