« 冬の青空、そして休日 | Main | 本物の冬がやってきた »

2011年12月20日

Turandot の6回目(今シリーズ最後).txt

今シリーズ最後の公演。指揮は Zubin Mehta から Asher Fisch に替わった。これは前々から決まっていたことなのだろうが、最後の1回だけを振るというのはちょっとキツイ。オーケストラも歌手たちも Zubin Mehta のテンポに馴染んでしまっているから、彼の思うような音楽は作りにくいのだ。今夜はそれが悪い方向に向かってしまった。

Asher Fisch はこれまでにもミュンヘンでは La Bohèmeなどを振ったりして、かなり良い指揮者である。しかし今回は彼に掛けられたハンディが少し大き過ぎた。多分、オーケストラともソリスト陣ともプローベは出来なかったと思う。もちろん合唱団とのそれもなかった。

自分の音楽をやりたいと押し通せば、これまで5回の公演をやってきたオーケストラ、ソリスト陣、合唱団にとっては戸惑うだろうし、かと言って Zubin Mehta のテンポ、音楽は彼独特のものだからどうしたって辛い。特に第二幕ではあちこちで破綻が見えた。

今夜わたしが注目していたのは指揮者よりもリュー役を歌う Eri Nakamura だった。彼女の声質にもぴったりのこの役だけれど飛び入り状態で歌うわけだからこちらもかなりのハンディを背負っていた筈。しかし、彼女は立派だった。決めるところはピシッと決め、無意識にではあろうけれど、ときおり歌われるわずかなビブラートが効果的で役柄とマッチし、聴くものの感動を誘った。なによりも彼女の度胸がすばらしい。

Besetzung

Musikalische Leitung: Asher Fisch
Inszenierung: Carlus Padrissa – La Fura dels Baus
Bühne: Roland Olbeter
Kostüme: Chu Uroz
Video: Franc Aleu
Licht: Urs Schönebaum
Produktionsdramaturgie: Andrea Schönhofer
Rainer Karlitschek
Chöre: Sören Eckhoff

La principessa Turandot: Jennifer Wilson
L'imperatore Altoum: Ulrich Reß
Timur, Re tartaro spodestato: Rafal Siwek
Il principe ignoto (Calaf): Marco Berti
Liu: Eri Nakamura
Ping: Fabio Previati
Pang: Kevin Conners
Pong: Emanuele D'Aguanno
Un mandarino: Goran Jurić
Il principe di Persia: Francesco Petrozzi
Kinderchor: Kinderchor der Bayerischen Staatsoper
Extra-Chor: Extrachor der Bayerischen Staatsoper

Bayerisches Staatsorchester
Chor der Bayerischen Staatsoper

Turandot から2011年12月20日に引用