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2012年03月02日

ちょっといい話

少し前(2012年2月6日) のポッドキャスト(小島慶子キラキラ)でスポーツジャーナリストの生島 淳さんが「ちょっといい話」ということで話していたことである。まあ、シモネタなんだけれど健康な男だったら誰でもが思い当たることだ。

その日のポッドキャストの最初の方で「朝、立たないと男は・・・・」という話題が出て、それを聞いていた生島氏が彼の出番の時、コメントの形で紹介した話だった。

それは、イギリス人の名優 David Niven があるラブシーンの前に相手役の女性に言った言葉で、
「立っても、立たなくともごめんね」というもの。
これは素晴らしい!この短い言葉の中には大人の男のエスプリと相手役の女性へのリスペクトが感じられる。

わたしも舞台の上で演技をする生活を30年以上してきて、この話に近いような体験も実は何度かある。そのうちの一つは現在もレパートリーの一つとして続いているCarmenでのこと。

このオペラの第一幕で休憩中のたばこ女工たちと男声合唱が絡む場面がある。そこで、あるエキストラの若い女性がわたしに妖しい雰囲気で誘いをかけてくるのだが、演技に熱の入っている彼女は、いつでも真に迫ってわたしに身体をすり寄せて密着してくる。芝居とは分かっていても彼女の下半身が押しつけられたりするとわたしもつい危うくなるときが実は何度かあった。

わたしの身体の変化を知られるのは失礼だと思うから、その時はわたしも演技をして彼女の身体から自然に距離を置くように努めたのだが、その時にこの気のきいた「立っても、立たなくともごめんね」という台詞を言うことができていたら・・・・、と思うと残念な気がする。