土曜日・曇り(角館) / 最高気温4度
6時半起床。昨日九州の長崎から戻って一晩眠り、今日は東北の 角館 へ。こんなことが気楽に出来るのも Japan Rail Pass のおかげである。また、これが Japan Rail Pass を使うもののつとめでもある。指定券を求めるためにJRの窓口に行ったら「出来るだけ沢山乗ってご利用して下さい」と笑顔で応対された。ちなみに新幹線、特急などの座席指定券は Japan Rail Pass に含まれていて、これが素晴らしい。
今朝は6時半に目覚まし時計をセットしておいて起床。8時28分東京駅発の「こまち17号」で角館に向かった。この小さな街もいちどは訪れてみたかった。出来ればもっと気候の良い時にとは思ったが今度はいつ来れるか分からないし、桜の時期などは観光客ですごい人出だろうからそれは避けたい。というわけで出発したのだが、危惧していたとおり仙台を過ぎた途端に雪景色に変わった。盛岡を過ぎたらそれがだんだん激しくなり車内放送では秋田から日本海沿岸に向かう列車の運行停止を伝えている。
どうしても今日中には東京に戻っていたかったので、熟慮の末に角館行きは諦めて「雫石」という盛岡の次の駅で下車し東京に引き返すことにした。しかしこの駅はとても小さな駅で全ての特急が停まる駅ではないのだった。ここから東京に引き返すのには3時間待たなくてはならない。外は雪が降っているし次の列車が来るまでは駅の恐ろしく寒い待合室に座っているしかない。そこでまたまた予定変更してとにかく角館まで行くことにした。もう雪で運行停止になった時はその時だ。ここで風邪をひくよりはましだろう。「雫石」(しずくいし)で次の列車を待っている間はちょうどお昼時だったから「天ぷら蕎麦」を食べて(これが望外においしかった)1時間ほど待つ。蕎麦屋のおばちゃん2人も客はわたしひとりで暇だったから話しかけてきておしゃべりを楽しんだ。(笑) そんなこんなで角館に着いたのは午後1時を過ぎていた。
角館は雫石ほど雪は降っていなくて曇りという状態。しかし、2日前から降った雪が雨に溶けて道路はグチャグチャになっている。わたしの普通の革靴では歩くことは不可能だった。だが角館は町を挙げての観光客誘致なのだろうか、その辺はしっかりしていて「ゴム長靴」を無料で貸してくれるという。これ幸いと長靴に履き替えてお目当ての武家屋敷まで15分ほどの距離を歩いた。
タクシーを使えば時間の節約にはなるのだが、歩いてみないとその街のたたずまいとか性格は分からないものだ。ゴム長靴のおかげで雪解け道も平気で歩けて、お目当ての武家屋敷のひとつ『石黒家』を見ることが出来た。屋敷自体はそれほど見るべきものはない。美しいのは屋敷へ行くまでの道とその辺一帯の佇まいだ。観光客もわたし以外は殆どいなかったから武家屋敷前のキリッとした雰囲気でいながら落ち着いた空気を堪能出来た。やはり歩かなくては。
それ以上時間を費やしても仕方がないので再び駅まで引き返して14時50分の「こまち30号」に乗り東京へ戻る。まだ明るい時間だったから車窓からの雪景色を楽しんだり、読みかけの本「さよならドビュッシー」(中山七里著)を読んだりして車中は飽きることがなかった。ちょうど東京に着く数分前に読了したが、この本は面白い。
夕方7時前にホテルの自室に入ってまずはビールをグビリ! 夕食にはこのホテルの2階にある「大戸屋」で「牡蠣フライ定食」+「冷や奴」を食べて満足。そして締めはもちろん大浴場である。