リゴレットのストリーミング放送を観た

日曜日・晴れ / 最高気温9度

8時起床。この季節らしくない明るい光が日本の太平洋岸の冬を連想させる。わたしの生まれ育った街も冬はこんな感じだった。そう思ったのはこれもミュンヘンでは珍しく強い風が時折吹いていたからかもしれない。

ブリギッテはまた昨夜ひどい頭痛に襲われたらしく、今朝はすごく気分が悪そう。しかし起きた時に服用した頭痛薬が効いてきた10時頃にはすっかりいつもの彼女に戻った。彼女の頭痛も気候,気圧の急激な変動がもたらしたものだろう。

日本からドイツ旅行に来ていて,今日ミュンヘンに到着する友人夫婦から連絡があり昼食を一緒にすることになった。 Rosenheimerplatz 近くのホテルのロビーで落ち合い Hofbräukeller でバイエルン料理を食べる。4時過ぎに別れて帰宅。

帰ってみるとブリギッテは相変わらずリフォームのための準備中。わたしもなんだか手伝わないと悪いような気になって1時間ほど一緒に作業をする。

今夜は6時から Bayerische Staatsoper から Rigoletto のストリーミング放送があってそれを観る。合唱を含めてソリスト陣も殆ど芝居をしていないと見える動きの少ない舞台だった。合唱の扱いはギリシャ悲劇のコロスを連想させたりして、そのどこかに演出者のメッセージが感じられるかと思ってみていたが、彼の意図が伝わってこない。Nationaltheater の広い舞台を持て余しているような感じさえ受けた。

でもわたしが若い頃に年寄りの同僚達が新演出を貶していたことが度々あって,それを斜めから見ていた自分を知っている。わたしには退屈に感じた今回の演出を評価できないのは、もしかするとわたし自身が老化しているのかもしれない。だとしたらもっと柔軟な感性を身に付けるように努力しなくては。

最終場面はさすがに緊迫感の溢れる舞台になっていたがこれは演出のせいではなくヴェルディの音楽の力だろう。ソリスト陣は文句のつけようがなく立派だった。