音と臭い

ふとした臭いに出会ったとき、それを基点として一瞬にして何十年も前の風景が蘇ることは良く聞く話。しかし、それが音にもあるということを数日前に経験した。

You Tube で、ある日本映画を観ていたときに登場人物がアルミサッシの窓を開ける場面があった。アルミサッシの窓についているベアリング特有の「カラカラ」という音を聞いたとき、わたしの脳裏に鮮やかに浮かび上がった景色があった。

それはまだ芸大に入学する前の浪人中だったか、すでに芸大で学んでいた頃だったかは定かで無いが、その頃に住んでいた西武新宿線・小平駅から10分ほど歩いたところにある8畳一間のアパートから眺めた光景だった。

夏のまだ充分に暑い夕方にそのアパートに帰ってきてアルミサッシの窓を開け、留守中に溜まっていた部屋の熱気を逃がしたときの光景である。

その当時その辺はまだ畑が点々と存在していた地域で、どこかもの悲しい、そして乾いた風景だった。自分の将来が霧に閉ざされたように不透明で確たる希望も持てない、そんな時代だったことを思い出した。

アルミサッシの「カラカラ」という音はわたしにとって青春が持つ不安と、もの悲しさを感じさせる音なのである。

今日も31度と暑かった

7月26日(金)・快晴/最高気温31度

6時半起床。今日もよく眠れて気持ちの良い目覚めだった。例によって8時半頃からウォーキングに出掛ける。できるだけ日陰の多い道順を選ぼうと考えたが、この時間帯だと左回りの方が良さそう。11226歩・94分。

帰宅してすぐに庭の水まき。このところずっと暑い日が続いているので鉢植えの植物は注意してやらないといけない。30分ほど掛かってそれが終わってからゆっくりとシャワーを浴び洗髪をする。リタイアして丸一年になろうとしているが、いまだに「ああ、この時間は皆プローベの最中だな」と考えて今の自分の境遇に感謝している。(^_^;)

昼食は今日も昨日と同じく「卵入り肉うどん」。今日は顆粒状になった昆布だしを使ったら鰹だしとはまた違ったおいしさだった。ブリギッテがレストラン向けのショッピングセンターでうどんを大量に買い込んできたのでしばらくはこれを食べる日が続きそうだ。これだから下手に「これは美味いね」なんて言わない方がいい。(^_^;)

午後になったら外は猛烈な日射しとなった。豆腐が切れていたので買いに行こうかなと思ったのだが、即、その考えを改める。そんなところに劇場からの電話で明晩の演奏会 Requiem/Verdi に出てくれないかという依頼。しかし明晩は4組の夫婦を招いて夕食をすることになっている。残念ながら断った。

夕方5時半頃にブリギッテが帰宅。いつもより1時間以上も早いので気分でも悪くなったかと一瞬心配したが、あまりの暑さに終業時間を繰り上げたそうだ。彼女の仕事場にはクーラーが無い。

彼女はグッタリして帰宅したのだが、少し休んだら買い物に出掛けて行った。明晩の宴会に使う食材を仕入れるためである。わたしは陽の傾くのを待って今日2度目の水まき。夕食のあとは外が暗くなるまでテラスで涼しい夜気を味わう。