日本からミュンヘンのわが家に戻ってきたのは一昨日(23日の夕方)だった。やはり疲れていたのか頭の芯がボヤ〜ッとしていたが、ステレオ装置の前に白い布をかぶせられたものが鎮座しているのにはすぐに気がついた。白い布を取って見るとそこにはなんと、Nationaltheater 観客席の椅子が
Nationaltheater の椅子は1963年に劇場が再建されて以来使われていたもので、今シーズンから新しい椅子にリニューアルされた。昨シーズンが終わってからその古い椅子を希望者に販売していたことはわたしも知っていた。
しかしその値段がわたしには高いと思ったのと、座り心地が余り良くない印象が残っていたので欲しいとは思わなかった。しかしブリギッテの考えは違っていたのである。
彼女曰く「あなたが長年の勤めを終えるのと時を同じくしてこの椅子も引退するというのは何かの因縁のような気がするの。これに座ってステレオを聴くのも良いものでしょ?」
というわけでわたしが日本に行っている間に手配したらしい。試しにと今日の午後、この椅子に座ってステレオ装置から流れてくる音楽を聴いたのだが、1時間ほどなら座り心地の悪さも気にならなかった。
彼女の言うのにも一理あるわけで、これからはせいぜい活用させて戴くことにする。